Studio Lepus
白夜の語り部-Studio Lepus works collection-
about


2009年の音楽活動開始より、数々のボーカリストに楽曲を提供してきた三滝航によるボーカルワークスベスト。
時には瞳に映るもの、時には心に映るもの。そんな多彩な空想世界のカタチを歌に写し綴った一枚。
古い音源を中心にリアレンジ/リミックスを施した収録曲は描き下ろし含め全14曲、フルサイズ初公開の楽曲も多数収録。
古い曲は2010年から、新しい曲は2016年迄、三滝航の描いてきた幻想の軌跡。
information



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タイトル
リリース
収録曲
価格


委託取扱店



制作
白夜の語り部-Studio Lepus works collection-
2016/08/14
14曲
イベント価格 ¥1,000
ショップ価格 ¥1,500





Studio Lepus
demo


track


01. cyfnos-誰ソ彼-
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08. Deep White
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02. 二枚目の地図視聴する
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09. 鎮魂歌の廃墟視聴する
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03. 瞳の中の淵底視聴する
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10. 刻の暦廻-占いの街シーファンにて-視聴する
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04. Ihcomadnuz視聴する
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11. To lose in amber視聴する
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05. ツキノコエ視聴する
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12. 涙のハイドランジア視聴する
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06. まんまる・まぁぶる・もんすたぁ視聴する
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13. Snowidea視聴する
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07. 10566番目の小惑星
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14. wawr-彼ハ誰-
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liner notes


01.cyfnos-誰ソ彼-

 イントロトラック。「cyfnos」の意味は副題の通り黄昏時。CDの題に「白夜」という言葉を使っているので夜の始まりと終わりを意味する言葉を使いました。
 イントロ/アウトロトラックのタイトル案はいくつか出たのですが「Dusk/Dawn」(入りと終わりに使うには音が強すぎる印象があるので没)や「沈まない陽/昇らない月(白夜でも月は登るようで没)」など、イマイチしっくり来ず…読める文字列かどうか、ウムラウトやリング符号が付いていないか、等を条件に翻訳を繰り返している中でウェールズ語に良い響きの言葉を見つけたので題を「cyfnos」に。
 楽曲は複数のシーケンスパターンのループからなるミニマル系の楽曲。
 ドラムの音色はインダストリアル系のループにローファイを掛ける形で作ったのですが、ダイナミクスの潰れ具合と低域の膨らみ具合が酷い有様。結局エフェクターをかけた後でオートメーション(ボリューム曲線)を書くことになったのですが、程よいアタック感になったかな、と思います。澄んだ音の多い他のパートの中にこういうぐちゃぐちゃとしたリズムが入っているギャップ、結構好きなのです。

02.二枚目の地図

 みとせのりこさんと制作したミニアルバム[tSoLE]に収録された[violzkar〜菫の地図〜]の別歌詞バージョン。打ち合わせ時のコンセプトに則って書かれたviolzkarとは別に、制作したデモのイメージからみとせさんが書いた歌詞がこの[二枚目の地図]でした。歌詞採用選手権に敗れお蔵入りとなってしまったものでしたが、無事日の目を見ることが出来てよかったと安堵しております(violzkarを選んだ身としての罪悪感…) …いや、元々どこかで披露しようという話が出ていたのです。violzkarスピンオフでミニアルバム、といった案など。
 既にviolzkarという一つの歌の形が作られていたので、別の歌詞を入れることで違和感が出ないかと恐怖しておりましたが、そこは流石のみとせさん。楽曲のイメージから描き起こした歌詞は伊達でなく、実によく馴染んでいたように思います。ボーカルの表現も三滝が歌いやすいようそれに合わせた表現をしてくださった結果、親和性が高いツインボーカルになったように思います。最後のフレーズはみとせさんの案、「二枚目の地図」という題から別の道という趣旨を含め三滝がウィスパーで歌う形に。息成分を出来る限り大きくしてみたら予想以上にハマる…慧眼…

03.瞳の中の淵底

 小鳥遊まこさんのサークル「うたのは」の「TheTragedyofGifted」に収録。
 閉じた空間の反響感を意識した鍵盤打楽器のシーケンスループは、鏡張りの心象世界のイメージ。まこさんによるコーラスワークとフレットレスベースの安定しないフレーズも含めて楽曲に浮遊感を持たせる作りにしています。当時、曲に使われるボーカルの本数については特に意識していなかったのですが、まこさんから「これ全部入れて!」と結構なボリュームのボーカルデータを頂き全部乗せすることに。それが結果として大正解、コーラス盛り盛りの曲が好きな身としてはお気に入りの曲になりました。
 今回再収録にあたって最も手を入れた曲の一つ。リズム隊の土台感を増しつつ、主張しすぎない程度にギターの表現に張りを出させリバース音含め強化しています。また原曲のベースラインが音色含め平べったかったので現状の環境で打ち込み直し、曲を盛り上げる歌い方に出来たかな、と思います。その動かしっぷりは勿論ただの趣味。ただ欲を言えばもうちょっとびよべよ言うフレットレスのイメージなのでフレットレス特化の音源がほしいトコロ。フレットレスベース、好きなのですが表現はもっと勉強が必要かしら…

04.Ihcomadnuz

 知る人ぞ知る「冬虫夏草」の「ずんだもちコンピ」収録。歌はひなたみゆさん。
 「ずんだもちのうた」という曲のアレンジで、メロディラインだけ引用して他は丸っと書き起こす類の編曲をしています。1:40以降は今回の書き下ろし部分。元々が短い曲だったので先をどう作るか悩んだ挙句、原曲のメロに囚われずこのまま続きを紡ぐとどうなるか、と曲と会話しながら制作する形にしました。
 今回書き下ろし箇所の追加に併せてひなたみゆさんに歌の新規収録をお願いしたのですが、あまりにサクサク進みすぎるもので、旧バージョンを使いまわす予定していた部分まで録り直していただけることに。収録中に旧バージョンとの聴き比べもしておりましたが、いや、深い憂いを帯びた素敵な歌が録れたと思います。これは予想以上に好みなテイクが来たぞと収録中に歓喜しておりました。本人はその変化を「おとなになった!」と言っておりましたが、聴き比べてみると確かに以前のバージョンは声が若い…!
 何気に初公開となる歌詞は全部ZUNDAMOCHIのアナグラム造語。柔らかい子音使わせろeを使わせろ、と制約の多い中での作詞でしたが、違和感のない歌詞になったのではないでしょうか。どうかしら。

05.ツキノコエ

 いずみあやさんのサークル「THURA*POP」の「こすもらじお-いつかだれかがうたったうた-」に収録。作詞は久遠真雪さん。
 こちらも浮遊感を意識した楽曲で、メジャー・マイナーのどちらともつかないコード感や夢の中を漂うようなイメージから楽曲を制作した記憶があります。真雪さんにもそんな意図を部分部分提示して作詞して頂きましたが、上がってきた歌詞が楽曲の雰囲気とよく馴染んでいて「こんな化学変化が起こることがあるのか」と驚きました。当時、自分の曲の歌詞を人に書いてもらうことがあまりなかったのです。今は逆に自分で歌詞を書くことの方が少なくなったのですが。
 オーダーに際し楽曲の指定は特になかったので、あやさんからアルバムのお話を伺った時に自分が思い描いた「こすもらじお」のイメージで雰囲気や音色選びを。その上でこの人の歌声でやらせてみたいことはどんなだろう、と考えながら制作する形にしました。
 普段上ハモ(主旋律よりも高い音でのハモリ)は入れないのですが、下でハモらせて土台感を付与するよりは上でハモらせる方が曲に合致するであろうと思い、この曲で初の上ハモ導入…ただ声域に対する意識が殆ど無かった頃なのでちょっと極端な音の高さでハモらせてしまったかな、と少しだけ後悔しております。歌モノ書き始めて3番目くらいの曲なの…

06.まんまる・まぁぶる・もんすたぁ

 音系同人イベント「M3」の15周年記念として同人サークル「remof」が企画したコンピレーション[10月27日]に提供した楽曲。作詞・作曲・ボーカル等分けられた参加者を企画側でマッチングして制作チームを作る形式で、何の因果か以前「ツキノコエ」を提供し、アルバム「クオリの塔」の製作時にも組んだいずみあやさん(歌)を始め、桐生しきさん(作詞)、ザクリさん(歌)と組んでの制作になりました。
 この楽曲は三滝の都合もあり初めて詞先で作曲することに。普段は曲先で曲を書いて歌詞を起こすスタイルなので、詞先での制作は実に新鮮でした。しきさんが先駆けて歌詞を上げてくれたのですがこの歌詞がまた可愛くふんわりしていて曲のイメージが起こしやすかったです。最初は「渋谷系っぽいのでやってみよう」なんて話をしていたのですが全部歌詞に上書きされて吹き飛んでしまいました、ごめんなさい。
 可愛いといえばこの曲で初めてご一緒したザクリさんの歌声も曲にとても良く馴染む可愛い歌い方でした。曲と歌詞と歌でそれぞれ相乗効果を生み出していたように思います。あと凄くミックスしやすかった…(笑)
 そんな楽曲はおもちゃ箱のイメージ、変な音を録っては色んな所で入れてます。水を入れたペットボトルを叩き合わせたり、ビンをドライバーで叩いたり、ガテラル入れたり舌鳴らしたり口で効果音作ったり。スゥゥゥーシャッ(効果音)

07.10566番目の小惑星

 イントロ・アウトロトラック以外で今回唯一のインスト曲。タイトルの意図は述べません。気になる方はgoogleで検索して頂けると出てくると思います。
 元々別の曲を書下ろしとして入れる予定だったのですが、アルバムのリリースまでのひと月、いま何が出来るかと考えた末に「借り物を返さなければ」と思い取り掛かったのがこの曲でした。ただ、それだけなのです。

08.DeepWhite

 アルバム「MistyCage」に収録した同名の曲のフル尺アレンジです。4年ほど前には既に概形が出来上がっていたのですがお披露目が随分と遅くなってしまいました。元々は別の企画用にツインボーカルでフルバージョンを、という話をしていたのですが、どうもその企画自体が空中分解してしまったようで今回改めて収録。
 フル尺アレンジに伴い造語歌詞を書き下ろし、ひなたみゆさんとfoolenさんにボーカルをお願いすることにしました。最初に声をかけたのはいつだったか…うん…(汗)
 二人とも透明感のある声を持つボーカリストなので相性はよかろうと思いデュエットをお願いしましたが、良い方向に混ざっていったのではないかと思います。foolenさんとはI'veアレンジアルバム「MIXED:03」でご一緒して以来。三滝共々好きなゲームであったということで「さよならを教えて」のアレンジでボーカルをお願いしたのですが、次は真逆の方向性の楽曲を歌わせてみたいなと常々思っていたのでした。
 楽曲イメージは一面の雪景色、「MistyCage」2曲めの「Lapislazuli」やエンディングの「DreamFalls-瑠璃色の空-」含め「雪に閉ざされた世界で二人だけ残った少年少女」とその後を描くお話。こんなのばっか好きね。

09.鎮魂歌の廃墟

 デザイナーの雛瀬シズキさん(MaliceinUnderland等ロゴデザインして頂いています)からの依頼で制作した楽曲。雛瀬さんの創作サイト「OzoneAsterisk」にて制作されているゲーム「RequiemRuins」の主題歌です。ボーカルは緑坂亜綾さん、ミックスはmuonの柚木カズヤ君にお願いしています。
 実は今までフル尺が未公開となっていた楽曲の一つで、これも予てよりアルバム収録を予定していた曲でした。実はベストでなく造語オンリーアルバムとして出す事も考えていたのですが、徐々にアルバムの形態が変わっていきベスト盤ということに。うらじじょう。
 楽曲イメージは古の女王が歌った歌、という設定でトラッド色を強く出した楽器編成に。普段より土臭さ2割増(当社比)になっております。
 今回再録にあたって楽曲を全面リファイン。リズムのノリを広く、原曲のカホンをジャンベとパンデイロに分解。楽器の装飾音等も意識しトラッド分を更に増すアレンジにしてみました。前のほうが好きという方もいらっしゃるかなと思いますが、そこは好き好きかなあと。
 亜綾さんのボーカルもアレンジに合わせて大幅に表現力が上がり、「女王の歌」感が一層増したように思います。換声点付近の音が延々と続く地味に大変な曲なのですが、この歌は亜綾さんならではだなあと感嘆。

10.刻の暦廻-占いの街シーファンにて-

 小鳥遊まこさんのサークル「うたのは」の「渡り鳥のリン」に収録。ストーリーの流れに合わせて雰囲気を変えたりテンポチェンジしたり、というオーダーを踏まえ、前半はちょっと神秘的に、後半は街の喧騒を意識した作りにしました。
 歌モノらしい形として「1コーラスの中にその変化を収める構成」にするか「1コーラスという区分を作らず組曲的に変化する構成」にするか悩みましたが、前者でという回答を頂き、民族音楽中心の企画のためケルト色を強めに、静と動を1コーラスの中に織り込んだ上でラスサビとしてより世俗感の溢れる賑やかしパートを入れる形に。
 ボーカル・コーラスは小鳥遊まこさん。コロコロと変わる楽曲に沿った表現をしてくださいました。特にラスサビの4:12〜、この曲を作るにあたって影響を受けたアーティストの声質そっくりで驚いたものです。
 ラスサビのバックコーラスのみ三滝も参加。「ラスサビのコーラス部分、造語かもしくはライライっぽい(直球的表現)感じで」というお話をしたトコロ…収録データが「ランラン」になって帰ってきて度肝抜かれたのはここだけのオハナシ。
 マイナーとメジャーの切り替えやリールとジグそれぞれの曲調などなど、ケルト系の曲として色んな形の表現が出来るので書いていて楽しかった曲です。

11.Toloseinamber

 今回唯一のカバー曲。原曲は島みやえい子さんの同名の曲で作曲は高瀬一矢さん。TrinityNoteのI'veアレンジアルバム「Mixed:07」に提供した楽曲ですが個人的にお気に入りのアレンジになっていたのでここで再収録しました。
 原曲からして三滝の音と相性のいい楽曲で、トラッド風のアレンジにするかデジタル系のエグめのアレンジにするか検討した結果、双方を組み合わせてみることに。それにあたってボーカルは異なる表現のできる二人にと思い、艶のある力強い表現ができる緑坂亜綾さんをメインボーカルを、済んだ切なさのある表現ができるひなたみゆさんをバックコーラスをお願いすることに。
 オケはイントロのアルペジオを始めメインのコード楽器としてカンテレを、そこにヴァイオリンやギターを添えてトラッドのカラーを出しつつ、パワーコードを基調とした左右のシンセ、歪みを加えたドラムトラックでハードな音に。ベースは時にコーラスをかけ浮遊感を、時に歪ませてゴリゴリ感をと双方を取り持つ役割を担わせてみました。「MaliceinUnderland」系統のアレンジですがより融和した形に仕上げられたと思います。原曲にない間奏部が特にお気に入り。
 この曲も亜綾さんに録り直して頂いたのですが、曲と歌がそれぞれ引き立たせ合うような表現になっていて鼻血流しそうなテンションでていく選びをしておりました。ラスサビ最後の「千夜一夜の夢」の手前に「Ah」というフレーズを足しましたが、原曲を知る人にはどう映るか。

12.涙のハイドランジア

 「MaliceinUnderland」にてVo.で参加して頂いた紗智さんのアルバム「Favoritte!」に提供した楽曲。沈鬱かつ繊細(当社比)なピアノを中心とした「鬱くし」系です。この手の曲も得意な部類。ドラムもパーカスもベースも使わずに作ったのは2014年当時では珍しいかも。
 この曲を書いた当時、ちょうど突発性難聴で左耳を壊し、曲のメインとなるピアノの、特に中域から高域にかけての音のピッチがズレて聞こえる状態での制作でした。酷い時は半音近くピッチがズレていて、耳鼻科の先生にもしばらく大きい音を聞かないよう、左耳を使わないようと言われ、片耳だけ耳栓、もしくはヘッドホンの左だけミュートするといった方法で制作していました。の割にミックスがよく出来ている(笑)
 曲自体もお気に入りで、もしベストを出すなら必ず入れようと思っていた楽曲の一つです。本当はこの曲をトリに持ってくるという想定すらあったのですがアルバム一枚ちゃんとまとめようということでイントロ/アウトロ含めて構成を編集していたらこのポジションに。
 最初に参考曲やボーカリストのイメージ指定を頂いていたので「あ、なるほど自分はこれらの曲のコンポーザーになればいいんだな!」と暴力的意訳。その人を降ろしてくるイメージで作曲しましたが良い感じに内省的になったと思います。イタコ系制作スタイル、楽器の演奏表現なんかでもよくやりますが結構好きです。「違う、この人ならここはもっとこうする!」的な。

13.Snowidea

 いずみあやさんのサークル「THURA*POP」の「こすもらじお-いつかだれかがうたったうた-」に提供した「きみがいる」の原詩版。元々、クリスマス辺りでweb公開できないかと書いていた曲をあやさんに提供したという出自がありました。いずれ原詩版もと思い、どこで公開するかと悩んでいた楽曲でしたが今回のベストに収録する頃に。
 クリスマス公開を考えていただけあって冬をイメージした楽曲…ただし公開時期にもかかわらず歌詞はバッドエンドの回想録のようなお話に。なしてそうなる。
 「Nihal」の2ndに収録する案もあったためこの曲のVo.は三滝のみ。アルバム内で浮いているとわかっていながら男性ボーカル曲として再生させました。この曲はしっとり歌うのが合うだろうと極力を声を張らず柔らかめに歌ってみましたが、メロディの感覚が長く、かつ歌詞との兼ね合いでブレスポイントを入れられない箇所が多いという、何気に鬼畜な仕様(単語やフレーズをぶち切るようなブレスポイントは入れないようにしています) …歌詞書いたの誰だ。自分だ。出来る限り曲に寄せた歌にしたつもりですが如何か。
 歌モノとして書いた曲は「MistyCage」の「Lapislazuli」に続きこの曲が2曲目。今回の収録にあわせてやや長く増設したCメロのピアノ・ベース・ドラムがお気に入り。この手の曲のソロ的表現は書いていて楽しいです。

14.wawr-彼ハ誰-

 アウトロトラックのピアノ曲。タイトルはTr.1の「cyfnos」に続きウェールズ語の夜明け。読みは「ワウル」…で…良かったはず…(汗) 日没で始まって夜明けで終わる、という構図はそれぞれに対して三滝が抱いているイメージなのでしょう。多分、生活リズムの影響でもあります。夜明け時の人気のなさというか「呼吸が聞こえない」、「誰もいない世界」感から、東の空に昇る陽の光に終末のイメージを重ねて見ているのが一番の理由かなと。
 楽曲は儚げなピアノソロ曲。アルバムを作る際は大抵1曲はピアノソロの曲を書くのですが、今回はアウトロにて。
 この手の曲を書く際、ピアノ曲らしいリズムの揺らぎを意識するようにしているのですが、普段は普通にピアノロールに合わせて打ち込んだ後、テンポのパラメータを弄るという手順でその揺らぎを作っています。今回はあえてその手法を取らず、ピアノロールを完全無視して自分で鍵盤で打ち込んでみました。小節後半の「溜め」感は大分それっぽくなっているのではないかと思います。
 鍵盤を叩きながら「次はこの音」と思って飛んだ音が違う鍵だったりと、鍵盤と出音が頭のなかでいまひとつ一致しきれていないのでまだまだ自分で演奏できるだけの技術はないですが、リズムの呼吸くらいは鍵盤で十分打ち込めるのでこれからはこの手法でやってみようかなと思います。短い曲ですが結構お気に入り。